幽霊より怖いもの･･･

「狸と与太郎」夢野久作

２０２３年１月１１日（水）YouTubeこちこの部屋に新作動画をアップ♬

今回はちょっぴり怖い文学作品の朗読。

夢野久作作「狸と与太郎」

与太郎がいつもより遅くなった帰り道の途中、森で出会うのは･･･

とっても短い作品なのに、落語のようにしっかりオチがあり、最後は微笑ましくなるほのぼのとした怪談です。

子供へのお母さんの言葉の魔法も凄いと思いました。

人間は見た事のないものには怖い意味がわからず、お化けが出ようが妖怪が出ようがヘッチャラなのかもしれません。

ぜひ皆さんにご視聴いただけると嬉しいです。

▼【朗読】「狸と与太郎」夢野久作はこちら

人間の卑しさ

幽霊的なものを人間はなぜ怖いと感じるのかを考えてみました。

仮に幽霊が現れたとしても、実体が無いわけだから、何かされるはずもないし、何もできないはずなんですよね。（ポルターガイストみたいに家の中の物を動かされたりしたらムカつくけど！）

そう考えると私たち人間は、目に見えないものが、もしかしたら災いを起こすかもしれないという漠然とした不安が怖いのかもしれません。

私は幽霊の存在に関しては懐疑的に思っています。

が、昔（学生時代を含む幼い頃）は霊的なものを怖がっていました。

ふと思い出したエピソード

私が実家で暮らしていた頃は毎年元旦に家族全員でお気に入りの神社に初詣に行くのが習慣でした。

しかしある年、私だったか母だったか記憶がおぼろげですが「ここにもこんなに大きな神社があるよ」と家族団らんの時に話題になり、その翌年だけいつも行っている神社とは違う神社に初詣に行く事になりました。

そしてその神社で御祈祷もしてもらいました。

するとその年の１月から２月にかけて、私の病気が発覚し手術をするため入院する事になり、立て続けに父も怪我をして長い期間仕事を休み、通院しなければならない羽目になりました。

父は信心深い人であるため「こちこと自分が入院や通院をする事になったのは、今まで欠かさず初詣にお参りに行っていた神社の神様が“他の神社に浮気された”“裏切られた”と思い、ヤキモチを焼いてバチを当てたんじゃないか」と言い、その発言に妙に納得させられた私は後日、父と２人でいつも初詣に行っていた神社に謝りに行った事があります。

参拝と一緒にいつもの神社で厄祓いもしてもらいました。

立て続けに起きた私の入院と父の怪我･･･

人間は良くない事が起きると見えないものの力のせいにしてしまうのかもしれません。

当時は父の影響もあってか、私もそういうスピリチュアル的な事を信じていたように思います。

誰かや何かのせいにしておく方が自分は悪くないという口実にもなり一石二鳥ですから･･･

しかし大人になった現在の私の持論は「神様なのに、もしバチを当てるならそんなの神様でもなんでもなく悪魔や悪霊なのではないか！？」です。

本当に神様がいたとして、いるのであればヤキモチやバチはやめてほしいです。

仮に人間がどんな間違いを犯しても慈悲の心で許してくれる、そして何があっても見守り続けてくれるのが神様だと私は信じています。

それから私はスピリチュアルを全否定はしませんが、例えば「壺を買えば幸せになる」とか「数珠を身に付ければ幸せになる」とか、高額な商品を売るために「買った方が良い」とするセールストークは一切信用していません。

むしろ幽霊や神様の天罰より、そういった人間の卑しい品性からくる人を騙す行為や詐欺の方がずっと怖いです。

なぜなら実害があるからです。

私が幽霊も神様もスピリチュアルも懐疑的になってしまったのは、そういった怪しげな人たちを見てきたからかもしれません。

見えないものを怖がるより、見えているもの（人）を怖がる方がとても合理的だと私は思います。