勘違いセレブ

ファッション

２年前の年の瀬。

私は有楽町の東京国際フォーラムにオーケストラ鑑賞に行く事になった。

オーケストラを聴きに行くのは大人になってから初めての経験であったため、ドレスコードを確認すべくネットで検索。

調査結果によると「スマートカジュアル」「品のある服装」とある。　

“えっ！？スマートカジュアル？品のある服装？それってどんな格好？？”

何となく結婚式の２次会に着ていくようなオケージョンファッションをイメージした私♡

当日。

ノースリーブの黒のセットアップに９センチのピンヒールを履き、無駄に何も入らない小さなバッグを持参。

そしてフェイクの毛皮のコートを着用。

まるでオペラを鑑賞しに行くようなバッチリ決め込んだファッションで出陣。

現地に着き、辺りを見渡す。

私のような派手なファッションは、誰もいなかった･･･

１人だけ勘違いセレブ？みたいな格好で浮いてしまっていたようにも思う。

まぁ仕方ないｗｗｗ

オーケストラ鑑賞は私の好きな交響曲であったため、思う存分楽しんだ♬

帰りの電車

普段の平日とは違い、年末２１時以降の電車は割と空いていた。

少しつめてもらえば、私も座れるくらいのスペースを発見！

ピンヒールで疲れた足を休めたかった私は、席をつめてほしい男性の前に立ち「ちょっとつめてもらえますか」と言おうとした瞬間･･･

男性は私と目が合うなり急に立ち上がる。

そして「あっ！すみません、どうぞ」と言い、私にエスコートをするような手のジェスチャーをして席を譲ってくれた。

私はその行為に驚きつつも、折角だから遠慮なく座らせてもらった。

少し不可解にも感じた。

なぜなら私は妊婦でもなければ病人でもなく、ましてや老人でもない。

なぜこの男性は、私に席を譲ってくれたのだろう？？

次の駅で降りるのかな？？？

私は男性を観察する事にした。

しかし２～３駅通過しても男性が降車する気配はなく、ずっと扉の前に立ちスマホをいじっている。

“？？？？？”　

もしかして･･･

私の勘違いセレブファッションが変な人っぽく見えてこの男性を威圧してしまった？？？

男性が私に席を譲ってくれた理由は、いまだに分からない。