空手

空手バカ一代

私が小学生の頃、誰が流行らせたのかクラスで親世代の漫画を貸し借りするという遊びが流行っていた。

中でも人気は原作：梶原一騎、作画：つのだじろう

空手バカ一代

実在の人物を題材とした空手活劇である。

私はこの作品にとても感銘を受け魅了された。

ある時。

家の近所のマンションの１階が工事を始めていた。

元々そこにはコンビニがあったはずなのだが「何ができるんだろう？」と子供ながらにワクワクし、楽しみにしていたものである。

それから数ヶ月後。

その１階のテナントがオープン。

なんと！！！！！

そこは極真空手の道場になっていた。

極真空手と言えば空手バカ一代に登場する主人公大山倍達総裁の統べる総本山。

私は学校からの帰り道、憧れにも近い想いでガラス張りになっている道場の練習風景を見ながら帰宅するのが日課になっていた。

どうしても極真空手を習いたくなってしまっていた私。

しびれを切らし母におねだりしにいく。

私「お母さん、どうしても習いたい習い事があるんだけど･･･」

母「何？言ってごらん」

私「近所にできた極真空手の道場に通いたい」

母「ダメよ！絶対にダメ！！」

私「何で？？？」

母「喧嘩に使うのが目に見えているから！」

私「･･････」

母の空手に対するイメージって一体。

それからというもの母に断られてしまった私は密かに自分の部屋で「チェストー！！」と声を張り上げ空手の練習に励むのであった･･･