美容整形

隣に座っていたおばさん

数年前のある日、喫茶店で友達と待ち合わせ。

私は入口から誰が来たかよく見える席が空いていたので、迷わずその席に向かった。

着席するや否や隣の席で食事していたおばさんが手を止め、私の顔を食い入るように見ている。

私はその視線に気付き、おばさんと目が合う。

おばさんはビックリした表情で固まる。

あまりの凝視に、私は一瞬“知り合いかな？”と思ったのだが、この人の顔に見覚えはなく･･･変に関わりを持ちたくなかったため、私の方から目を逸らした。

決めつけ

友達が喫茶店に入って来た。

私は彼女に手を振る。

なぜかおばさんも私の手を振った先へ目を向ける。

友達は私に気付き、私の座っている席の正面に腰を掛けた。

すると、隣に座っていたおばさんが遂に声を掛けてきた。

「気を悪くしたらごめんなさいね」

「今、美容整形って流行っているでしょ」

「綺麗だから顔のどのパーツを直しているのかずっと見ていたのよ」

「今は美容整形って恥ずかしい事じゃないものね」

「ところで、その顔はいくらかかったの？」

私も友達も唐突な質問に驚き、顔を見合わせた。

おばさんは続ける。

「別に美容整形なんて隠す事じゃないんだから、教えてくれても良いでしょ？」

「女同士の２人組って大抵片方はブスと相場が決まっているから、もう１人はどんな引き立て役が登場するのか期待していたら、入って来たもう１人も綺麗だったからビックリしたわよ」

「で、その顔はいくらかかっているの？」

マシンガンのようなトーク。

勝手に美容整形していると決めつけられ、その思い込みで質問し続ける隣のおばさん。

嫌気がさした私たちは、数分後店を出た。