残留思念

幽霊と文学

2022年9月26日(月)私はYouTubeチャンネルこちこの部屋に動画をアップしていました。

ちょっぴり怖い文学作品の朗読、坂口安吾作「幽霊と文学」です。

 

文豪坂口安吾が幽霊を文学で切っています。

どうやら坂口安吾は、幽霊や怪談が徹底的に嫌いみたいでした。

それが伝わってくるのが私の中で凄く面白くて、例えば幽霊に何かされた事があって毛嫌いするというのならわからなくもないけれど、怖いイメージだから嫌いと言っているのが、幽霊も安吾にここまで怖がってもらえて幽霊冥利に尽きるんじゃないかと思いました。

 

それから安吾は怪談に関して全否定でした。

そこまで否定しちゃう?みたいな感じwww

これを普通の人が言っていたら、もしかしたら面白くないかもしれないけれど、文豪の安吾が「嫌なものは嫌だ!」と何度も言っているのが本当に安吾らしいというか・・・子供のまま大人になっちゃったような雰囲気♡

知れば知るほど安吾のファンになってしまいそうです。

ぜひ皆さんにも坂口安吾の幽霊論♬ご視聴いただけると嬉しいです。

 

▼【朗読】「幽霊と文学」坂口安吾はこちら

 

 

情念

私自身YouTubeで怪談朗読を始めなければ、怪談はメジャーなものしか知りませんでした。

日本の怪談と言ったら四谷怪談、番町皿屋敷、牡丹灯籠、耳なし芳一、これくらいかなと思っていました。

しかし実際怪談朗読を始めてみると、いろんな文豪が怪談を書いていて、文豪それぞれに怪談の色があり、それを読んでからというもの、怪談にはエンターテインメントが感じられ、怪談は面白いと思うようになりました。

そして怪談に現れるどの幽霊も実体が無いため、恨めしい相手に手出しはできません。

けれど“いつも恨んでいる相手、呪っている相手の傍にまとわりつく”という情念を毎度感じさせられます。

 

この話から思い出した事があります。

私は地方のお寿司屋さんで凄く好きな所があり、その地方に行くと必ずそのお店に立ち寄るのですが、ある時そのお寿司屋さんの大将に「この場所にお店を構えようと思った理由はなんですか?」と聞いた事がありました。

私がなぜこのような質問をしたかというと、このお寿司屋さんはメインストリートから外れた、少し寂しげな場所にあったからです。

それでもテレビで紹介されるくらいの人気店。

私がこのお寿司屋さんに立ち寄ると、カウンターで大将とお話するのですが、大将はスピリチュアルっぽい事を言ったりする人なので、何か考えがあってこの場所にお店を決めたのではないかと思いました。

大将が言うには「よし!自分のお店を持とう」と思った数年前。

駅はココと決めていたそうで、お寿司屋さんの稼ぎ時は夜のため、リサーチがてら夜になるとその駅の周辺を散歩する感じで毎晩歩き回りました。

駅前のメインストリートは夜になると当たり前のようにたくさんの人がいて“こういう所に店を構えるのがベターなんだろうな”とは思ったものの、メインストリートから1本か2本外れた人が通らない閑散とした通りに入ってみると、誰もいないのに大勢の人の楽しそうな声が聞こえてきたのだそうです。

大将は“不思議な場所もあるもんだな”なんて思ったんだとか・・・

 

店を構えるとなると一世一代の決断をしなければならないし、経営者としても最初からミスるわけにはいかないということで、とにかく駅はもうココと決めていた大将は夜になると駅の周辺を毎晩散歩しては店をどこに構えるべきか毎日検討していました。

その間毎晩気になって、メインから外れた通りを見に行くと、やはりその場所には誰も人がいないのにどこからともなく賑やかな声が聞こえてきたのだそうです。

大将は直感で“ココには何かある”と思い調べてみると、このメインから外れた通りは昔花街だった事がわかり“それで賑やかな声がしていたのか”と妙に納得し“ココで商売したら流行らないわけがない”と確信に変わったので「だからこの場所でお店を始めたんだよ」と私に話してくれました。

私は大将の直感や大将にしか聞こえていない昔の人たちの賑やかな声に驚くと同時に、大将は普段から江戸時代風の格好をしているので昔の花街の人たちに歓迎され、呼ばれたのかなと思いました。

結果的に大将のお寿司屋さんは繁盛しているし、この話を思い出すと死んでも人の思いや念って残るのでは?というような気がしてきます。

坂口安吾は幽霊を毛嫌いしていたけれども、大将の場合は幽霊の導きによって商売繁盛したわけだし、一概に幽霊は怖いだけの存在ではないのかもしれません。

 

 

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4件のコメント

幽霊は、生きている人を良い方向に導いてくれたり、悪いことから遠ざけたりしてくれる存在でもあるのでしょうね(^ ^)
幸い幽霊の恐怖体験をしたことはないのですが、私も幽霊のパワーに助けられていることがあるのかなと思いました。

「耳なし芳一」といえば、ちょうど先週島根に行っていて、小泉八雲記念館も見学したのですが、奥様と二人三脚で仕上げた作品のようで、お互いに深く信頼しあっているのだなと思いました

utokyo318様✨
幽霊は怖い印象ですが、このお寿司屋さんの大将の話を思い出すと、幸運をもたらす幽霊もいるのかなって思っちゃいます♪
なんと!
utokyo318様は先週は島根に行かれておりましたか♡毎週旅行されていて羨ましい(*^▽^*)
ブログでの旅行記も楽しみにしておりま〜す☆

おはようございます

耳なし芳一は怖いでしたよね!
お経をうっかり耳に書かなかったら、耳を持ってかれた、怖い内容でしたよ。

昔話には、時折、怖いリアルな内容があって鳥肌ものでもありましたね

がちょー様✨
耳なし芳一と言ったら怪談の定番ですよね!
子供の頃、四谷怪談と同じくらい怖くて…
思い出すと夜眠れなくなったのを覚えています:;(∩´﹏`∩);:
まんが日本昔話にも怖い話って多いですよね。
日本人は怖い話や怪談が好きなんだろうな〜♪

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